1. 主要ページへ移動
  2. メニューへ移動
  3. ページ下へ移動

お役立ちコラム

【2026年4月解禁】「BIM図面審査」で建築確認が激変! 設計者が知るべき「整合性確認省略」の衝撃と必須準備

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

建築業界における長年の課題であった「建築確認申請の業務効率化」。その決定打とも言える新制度「BIM図面審査」が、いよいよ2026年4月(令和8年)から運用開始されます。

これまでの確認申請では、平面図・立面図・断面図などの図面間で生じる「不整合」の修正に、申請者と審査機関の双方が膨大な時間を費やしてきました。「BIMを使っているのに、なぜ確認申請のために2D図面を修正しなければならないのか」――そんな設計現場のジレンマを解消するのがこの新制度です。

本制度の核となるのは、一定の基準を満たしたBIMモデルから出力された図面であれば、審査機関側での「図書間の整合性確認」を省略するという画期的なルール変更です。これは単なる電子申請の延長ではなく、設計業務のフローそのものを変革するインパクトを持っています。さらに、2029年度以降に見据えられた「BIMデータ審査(モデルそのものを審査)」への重要なステップアップでもあります。

本記事では、国土交通省や建築BIM推進会議が公開しているガイドライン素案に基づき、制度の仕組み、最大のメリットである「整合性確認省略」の要件、そして開始までに企業や設計担当者が準備すべきことを徹底解説します。

目次
  • 1. 2026年4月、建築確認が変わる:「BIM図面審査」の幕開け
  • 2. 最大のメリットは「整合性確認の省略」:審査の常識が覆る
  • 3. 提出するのはPDF・IFC・チェックリスト
  • 4. 成功の鍵を握る「入出力基準」:モデル作成の厳格なルール
  • 5. 「設計者チェックリスト」の重み:自己申告が品質を保証する
  • 6. CDE(共通データ環境)の活用と電子申請の未来
  • 7. まとめ:2026年はゴールではなくスタート。今すぐ始めるべき準備とは

1. 2026年4月、建築確認が変わる:「BIM図面審査」の幕開け

2026年4月からスタートする「BIM図面審査」は、従来の「紙(または2D-CAD等のPDF)」による審査から、「BIMモデル」を基軸とした審査へと移行する第一歩です。具体的には、BIMソフトウェアで作成されたモデルから整合性を担保した状態で出力された「図面(PDF)」を正本としつつ、その参照用データとして「BIMデータ(IFC形式)」をセットで提出します。

これまでもPDFによる電子申請は可能でしたが、審査員はあくまで「2次元の図面」として整合性をチェックしていました。しかし新制度では、BIMの特性(1つのモデルから全ての図面を切り出すため、原理的に不整合が起きない)を制度的に認め、審査プロセスを簡略化します。これは、国土交通省が進める「建築BIM推進会議」において議論されてきたロードマップの重要なマイルストーンであり、2029年頃に予定されている「BIMデータ審査(図面を介さずモデル自体を審査する)」への架け橋となる制度です。

 

2. 最大のメリットは「整合性確認の省略」:審査の常識が覆る

この制度最大のインパクトは、「図書間の整合性確認の省略」にあります。従来、審査機関は「平面図の窓の位置が、立面図と合っているか」「断面図の高さ関係が矩計図と矛盾していないか」といった整合性チェックに多くの時間を割いてきました。また、設計者もその指摘対応に追われることが常態化していました。

BIM図面審査では、「BIMモデルから入出力基準に従って図面を切り出している限り、不整合は発生しない」という前提に立ちます。これにより、審査機関は整合性のチェック作業を省略し、法適合性の確認という本質的な審査に集中できるようになります。設計者にとっては、質疑応答の回数が激減し、審査期間の大幅な短縮や、スムーズな確認済証の交付が期待できるという強力なメリットがあります。

3. 提出するのはPDF・IFC・チェックリスト

整合性確認の省略という恩恵を受けるためには、従来の図書とは異なる提出セットが必要です。具体的には以下の3点です。

  • 申請図書(PDF形式):BIMモデルから出力されたもの。あくまで審査の主対象(法的根拠)はこのPDF図面です。
  • BIMデータ(IFC形式):PDFを出力した元のBIMデータ。審査員が3次元形状を把握するための参照用として使用されます。データ形式は「IFC2x3」が推奨されています。
    ※原則としてオリジナルデータ(rvtやpln等)の提出は求められませんが、協議により活用することも可能です。
  • 設計者チェックリスト:「入出力基準に従ってモデルを作成し、図面を出力したこと」を設計者自身が申し告げる重要書類です。

この3点が揃い、かつ基準を満たしている場合に限り、特例的な審査フローが適用されます。

4. 成功の鍵を握る「入出力基準」:モデル作成の厳格なルール

「BIMソフトを使っていれば何でも良い」わけではありません。整合性を制度として担保するためには、国土交通省が定める「入出力基準」に則ったモデリングが必須となります。

提供された資料(素案)によると、例えば「外壁」や「開口部」の位置情報は、意匠図とBIMモデルで完全に一致する方法で表示・表記する必要があります。具体的には、「通り芯」や「各階基準線」といった基準線を明確に定義し、壁や床などの「空間オブジェクト」が正しく配置されているかが問われます。「詳細図の納まりがBIMで表現しきれないから、2Dで加筆して修正した」といった、従来よく行われていた「2D加筆による誤魔化し」はこの基準においては認められません。図面とモデルが完全にリンクしている「BIM完結型」の作図姿勢が求められます。

参考:国土交通省:建築BIMの推進

5. 「設計者チェックリスト」の重み:自己申告が品質を保証する

提出書類の一つである「設計者チェックリスト」は、単なる事務的な添付書類ではありません。
これは「私はこの図面を、モデルから正しく切り出しました(手作業での不整合な加筆はしていません)」という、建築士としての品質保証宣言書です。

ガイドライン(素案)にあるチェックリスト例を見ると、「配置図」「各階平面図」「立面図」などの各図面タイプに対し、入出力基準を満たしているか(◯)、該当なしか(ー)を細かく申告する形式になっています。このリストで「◯」がついた項目こそが、審査側で「整合性確認不要」と判断される箇所になります。つまり、このリストを全て「◯」で埋められる精度の高いBIM運用ができているかどうかが、審査をスムーズに通すための生命線となります。虚偽の申告は処分の対象にもなり得るため、社内でのダブルチェック体制も重要になるでしょう。

6. CDE(共通データ環境)の活用と電子申請の未来

BIM図面審査は、オンラインでの電子申請を前提としています。
ここで重要になるのが「CDE(Common Data Environment:共通データ環境)」と呼ばれるクラウド上のプラットフォームです。

従来の紙の回覧審査とは異なり、申請者、指定確認検査機関、消防などの関係者がCDE上でデータにアクセスし、並行して審査を進めることが想定されています。参考リンクにある日本建築行政会議(ICBA)や確認検査機関(ビューローベリタス等)の情報によれば、このCDEを活用した「並行審査」や「指摘事項のリアルタイム管理」こそが、BIM図面審査の真の効率化を実現するインフラとなります。データの授受だけでなく、コミュニケーション履歴も一元管理されるため、言った言わないのトラブルも防げます。

参考:ICBA 建築確認手続きの電子化


7. まとめ:2026年はゴールではなくスタート。今すぐ始めるべき準備とは

2026年4月の「BIM図面審査」開始は、建築確認業務におけるデジタル革命の序章に過ぎません。この制度を利用することで、「審査期間の短縮」「手戻りの削減」という実利を得られるだけでなく、その先にある2029年以降の「BIMデータ審査(図面レス審査)」への対応力を養うことができます。

企業や設計担当者が今すぐ始めるべき準備は以下の3点です。

  1. 自社テンプレートの確認:現在のBIMテンプレートやファミリが、「入出力基準」に対応できる仕様になっているか見直す。
  2. IFC出力のテスト:意匠・構造・設備の各モデルを重ね合わせた際、座標ズレなどが起きないか、IFC変換の設定を確認する。
  3. 2D加筆からの脱却:「図面とモデルの完全一致」を目指し、2D線分での修正を禁止する社内ルールの整備を進める。

制度開始直前に慌てないよう、公表されているガイドライン(素案)を熟読し、来るべきデジタル審査時代のアドバンテージを確実なものにしましょう。

BIMモデルの作成など、提供サービスの詳細は下記のページにて紹介しております。

また、リビックの提供サービスをまとめた紹介資料もご用意しておりますので、ぜひ一度ご覧ください。
資料請求はこちらのページよりダウンロードできます。



  • このエントリーをはてなブックマークに追加

CONTACT

お問い合わせ・資料ダウンロード

ご質問やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。専門のスタッフが迅速かつ丁寧に対応いたします。
リビックのサービス概要資料ダウンロードも展開しておりますのでどうぞご覧ください。