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お役立ちコラム

ビジュアライゼーションの力!3次元モデルを使った住民説明会・合意形成

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公共事業や大規模な再開発プロジェクトにおいて、地域住民や関係者との合意形成は、プロジェクト成功の鍵を握る最も重要なプロセスの一つです。しかし、従来の2次元図面や専門用語が並ぶ資料だけでは、完成後の姿や工事の影響を住民が具体的にイメージすることは困難であり、「イメージの齟齬」や「情報格差」が不信感や反対運動の原因となることが少なくありません。

この課題を根本的に解決するのが、BIM/CIMデータを基にしたビジュアライゼーション(可視化)の力です。高精度な3次元モデルVR(仮想現実)を活用することで、完成後の景観、日照への影響、工事中の動線など、抽象的だった情報を誰もが一目で理解できる直感的な情報に変えることができます。

本記事では、3次元モデルを使った住民説明会がいかに効果的であるか、そして、このビジュアライゼーション技術がどのようにして迅速かつ円滑な合意形成を導き、プロジェクトのリスクを軽減するのかについて、具体的な手法とメリットを解説します。

目次

1. 従来の住民説明会が抱える根本的な課題:「イメージの齟齬」

大規模な建設プロジェクト、特に地域住民の生活に直結する道路建設やインフラ整備、高層建築物の計画などでは、住民説明会が必須となります。しかし、従来の住民説明会では、主に以下のような課題がプロジェクトの停滞を招いてきました。

     
  • 専門用語の壁: 専門的な2次元の平面図、断面図、立面図、そして「ヘクタール」「フリクション」などの専門用語が多用されるため、一般の住民にとっては内容を正確に把握することが困難でした。この情報格差が、住民の間に「自分たちの意見が無視されている」という不信感を生み出します。
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  • 完成イメージの曖昧さ: 平面図では、建物や構造物が周囲の環境や景観とどう調和するのか、高さや圧迫感がどれほどなのかを具体的に想像することができません。この「イメージの齟齬」が、説明会後の「聞いていた話と違う」という苦情や反対意見の火種となります。
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  • 影響範囲の不透明性: 工事車両の騒音や振動、日照の変化、電波障害といった生活への影響が、曖昧な言葉や予測値でしか示されないため、住民は不安を払拭できず、合意形成が長引く原因となります。

こうした課題を解決するには、感情論ではなく、共通の視覚情報に基づいた客観的な議論の場を設けることが不可欠です。

2. 3次元モデルがもたらす革新:ビジュアライゼーションの強力な説得力

BIM/CIMモデルを基にした3次元ビジュアライゼーションは、従来の課題を一掃し、住民説明会のあり方を根本から変革します。3次元モデルが提供する「直感的な理解」は、あらゆる議論をスムーズにします。

     
  • 完成後の景観シミュレーション: 3次元モデルは、計画された構造物を、既存の街並みや自然地形と統合して表示します。これにより、住民は自分の家のベランダや近所の公園から、完成後の姿をあらゆる角度から見ることができ、景観圧迫感についての議論を共通認識のもとで行うことができます。
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  • タイムラインを伴う透明性: 4Dシミュレーション(3次元モデルに工程情報を付加)を組み合わせることで、工事の進捗、重機の動き、仮設構造物の設置・撤去のタイムラインを視覚的に示せます。これにより、工事期間中の「騒音源はどこか」「いつまでに終わるのか」といった具体的な質問に、動画を用いて明確に回答できます。
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  • 客観的な影響評価: 3次元モデルに日照シミュレーションや風の流れの解析結果をオーバーレイすることで、「この建物ができると、冬の午前10時に隣の家の庭にどれくらいの影ができるか」といった影響範囲を数値ではなく視覚的に示せます。感情論を排除し、客観的なデータに基づく建設的な議論が可能になります。

3. 合意形成を促進するVR/AR活用事例と効果

ビジュアライゼーション技術は、ただの画面表示に留まらず、VR(仮想現実)AR(拡張現実)といった没入型体験へと進化しています。これらの技術は、合意形成を促進するための強力なツールとなります。

     
  • VRによる没入型説明会: VRゴーグルを使用することで、住民は計画された建物の中に入り込んだり、建設予定地の上空を飛行したりする体験ができます。これにより、視点や距離感が完全に共有され、抽象的な「高さ」や「広さ」ではなく、体感に基づいた議論が可能になります。特に、バリアフリー設計や公共スペースの使い勝手に関する議論で効果を発揮します。
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  • ARを用いた現況重ね合わせ: ARアプリを搭載したタブレットを実際の建設予定地にかざすと、画面越しに3次元モデルが現実の風景に重ねて表示されます。住民は自宅の窓から「ここに新しい道路ができるのか」といったことを、現実のスケールで確認でき、計画が自身の生活に与える影響を正確に理解できます。

こうした没入型技術は、従来の受動的な説明を能動的な体験に変え、住民がプロジェクトに当事者意識を持つことを促し、合意形成への積極的な参加を誘導します。

4. ビジュアライゼーションの具体的な手法と作成プロセス

効果的なビジュアライゼーションを実現するためには、BIM/CIMデータを活用し、用途に合わせた適切な表現手法を選ぶ必要があります。弊社リビックが提供する主な手法と、そのプロセスは以下の通りです。

            
表現手法 主な用途 使用するデータと特徴
パース/静止画 報告書、チラシ、Webサイトでの最終景観提示 高精度のBIM/CIMモデルにリアルなテクスチャ、照明、植栽を付加。初期段階の合意形成に最適。
ウォークスルー動画 説明会、オンライン公開での動線空間把握 4Dシミュレーションと連携し、完成後の構造物や周辺を移動する視点を映像化。空間体験の共有に効果的。
VR/ARコンテンツ 体験型説明会での没入感体感 3次元モデルをVR/ARエンジンに組み込み、リアルタイムで操作可能に。体感と議論の促進に特化。

作成プロセスは、まず既存のBIM/CIMモデル(または2D図面からのモデリング)を基に、住民が理解しやすいよう色調や質感を調整します。次に、日照・景観解析などのシミュレーションデータを統合し、最後に動画やVRといった出力形式に最適化します。この一連のプロセスを外部専門業者に依頼することで、高品質なビジュアライゼーションを迅速に提供できます。

5. 3次元モデルを用いたコミュニケーション戦略と質問への対応

3次元モデルは、住民説明会を成功させるための強力な武器ですが、それをどう使うかが重要です。単に美しい映像を見せるだけでなく、対話を促進するための戦略が求められます。

     
  • 意図的な視点共有: 説明側が一方的に映像を見せるのではなく、「あなたの家の屋根から見た視点」「この道路の交差点から見た視点」など、住民の関心が高い視点を意図的に提示し、質問を引き出すことが重要です。
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  • 変更シミュレーションの即時性: 住民から「もう少し高さを抑えられないか」「植栽を増やせないか」といった意見が出た場合、3次元モデルはデジタルデータであるため、その場でパラメータを変更し、「変更後の姿」を即座にシミュレーションして見せることが理想です(リアルタイムでの対応が難しければ、次回までの宿題とするだけでも信頼につながります)。これにより、建設的な議論が進み、「意見が反映されている」という参加意識を高められます。
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  • データに基づく客観性: 議論が感情的になりがちな騒音や景観の問題に対しては、3次元モデルと統合された客観的な解析データ(日影図など)を提示し、論点をデータに戻すことで、冷静な合意形成を促すことが可能です。

6. まとめ:ビジュアライゼーションで実現する透明性の高い建設DX

ビジュアライゼーション技術、特に3次元モデルVR/ARの活用は、公共事業や大規模開発における住民合意形成のプロセスを、透明性の高い効率的なものへと変革する鍵となります。BIM/CIMによって蓄積された設計情報というデジタル資産を、住民とのコミュニケーションツールとして最大限に活用することは、これからの建設DX戦略において不可欠です。

3次元モデルの活用は、単なるプレゼンテーションの改善ではなく、プロジェクトのリスク(特に訴訟や遅延リスク)を未然に防ぎ、最終的な工期とコストの削減に繋がります。

リビックでは、高精度な3次元モデルの作成から、住民説明会に適したビジュアライゼーションコンテンツの制作、そしてVR/ARソリューションの提供までを一貫してサポートし、円滑な合意形成とプロジェクト推進を支援いたします。

関連記事: BIM/CIMモデル作成とデータ連携:設計から施工までの情報一元化戦略

 

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