[UAVレーザー]点群データ取得時における注意するポイント

- UAVレーザースキャナーの特徴と役割
- 建築分野での点群取得:外観スキャン時の注意点
- 建築分野での点群取得:屋根・高所部分の注意点
- 土木分野での点群取得:広域地形スキャン時の注意点
- 土木分野での点群取得:橋梁・法面・河川周辺の注意点
- 共通の課題と解決策(GPS誤差・風・データ量)
- まとめ
UAVレーザースキャナーの特徴と役割
UAVレーザーは、空から広域を短時間で計測できることが最大の強みです。従来の地上レーザーでは数日かかる規模の地形計測を、数時間でカバーすることも可能です。特に森林地帯では、樹冠の隙間を透過するレーザーパルスによって地表面を把握できる点が大きな利点です。
一方で、飛行高度や機体の安定性に依存するため、計測精度は地上レーザーよりも劣る場合があることを理解しておく必要があります。
建築分野での点群取得:外観スキャン時の注意点
建築分野の外観点群取得においては、複雑な意匠による死角を最小化するための多角的な計測計画の立案、ガラスや金属といった反射素材に対する照射角度の調整やノイズ対策、さらには通行人や天候などの周辺環境への安全性や配慮に加え、データ統合の精度を担保する基準点(ターゲット)の適切な配置が極めて重要です。
これら事前の入念な段取りと現場での柔軟な対応こそが、後工程のBIM活用や改修設計に耐えうる高品質なデジタルツイン構築を成功させる最大の鍵となります。
建築分野での点群取得:屋根・高所部分の注意点
屋根や高所部分の点群取得において最大の課題は、地上計測では避けられない「死角」の解消です。
地上型レーザーでは仰角の制限により屋根中央部や軒裏のデータが欠損しやすいため、UAV(ドローン)を併用し、上空から多角的に補完することが不可欠となります。
その際、航空法等の法規制遵守はもちろん、突風や電線等の障害物への配慮、屋根材の反射によるノイズへの注意が求められます。
また、地上データとの整合性を保つため、屋上や壁面に基準点を配置し、十分なオーバーラップを確保した計測計画を立てることが重要です。
土木分野での点群取得:広域地形スキャン時の注意点
広域地形のスキャンでは、広大な面積を効率よく、かつ誤差を最小限に抑えて計測する戦略が求められます。
特に山間部や森林地帯では植生が大きな障害となるため、マルチリターン対応のレーザーを用い、樹木を透過して地表面(グラウンドデータ)をいかに正確に捉えるかが鍵となります。
また、計測範囲が広くなるほど座標のズレが累積しやすいため、標定点や検証点を適切に配置し、公共座標系との整合性を厳格に確保することが不可欠です。
あわせて、GNSS衛星の受信環境や地形の起伏に応じた飛行・移動ルートの選定、さらには膨大な点群データの処理負荷までを考慮した、事前の綿密な計測計画がプロジェクトの成否を左右します。
土木分野での点群取得:橋梁・法面・河川周辺の注意点
橋梁、法面、河川周辺の点群取得は、構造物の複雑さと周辺環境の厳しさから特に注意が必要です。
橋梁では、桁下や橋脚側面、床版下面など死角が多く発生するため、地上型レーザーとドローンを組み合わせ、多角的な視点からのデータ取得が不可欠です。
法面は、植生によるレーザー透過の問題に加え、急峻な斜面での作業安全確保が最優先です。河川周辺では、水面の反射や透過によるノイズ、水位変動、流速の影響を考慮し、計測時期や方法を選定する必要があります。
いずれの現場も、風雨や落石などの自然条件、交通規制、通行船舶との調整といった安全管理と、構造物の微細な変状を捉えるための高精度な計測計画が成功の鍵を握ります。
共通の課題と解決策(GPS誤差・風・データ量)
UAVレーザーに共通する課題として、以下が挙げられます。
| 課題 | 説明 | 解決策 |
|---|---|---|
| GPS誤差 | 機体位置情報の精度不足による誤差 | 基準点(GNSS基準局)を設置し補正データを活用 |
| 風の影響 | 機体ブレによる点群の乱れ | 飛行可能風速の基準を守り、複数回計測で冗長性を確保 |
| データ量過多 | 数百GBに達する場合もあり処理が負担に | セグメント分割処理やクラウド環境を活用 |
これらの課題は、事前準備と適切なワークフロー設計によって大幅に軽減可能です。
まとめ
UAVレーザーは、従来困難だった広域・高所の点群取得を可能にし、建築・土木分野の計測作業を効率化する強力な手段です。ただし、飛行計画やデータ処理に特有の課題があるため、地上レーザーや写真測量と組み合わせて最適解を導くことが重要です。
また、予め天候の確認(特に風速)は必須です。業務の都合上、どうしても特定の日時しかフライト出来ない等起こり得るかもしれませんが、判断を誤り無理に飛ばした結果大きな事故に繋がってしまうかもしれません。
事前にリスクは考慮した上で、慎重に日程の調整、フライト条件の確認等を発注者間で丁寧に行うことが大切です。
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