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お役立ちコラム

[地上レーザー]点群データ取得時における注意するポイント

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近年、BIM/CIMやDX推進の流れの中で、点群データの取得と活用は欠かせない技術となっています。
特に地上レーザースキャナー(TLS: Terrestrial Laser Scanner)は、建築・土木の両分野で高精度な3Dモデルを作成するための基盤データを提供します。
しかし、点群データの品質は「どのように取得したか」に大きく依存します。

本記事では、地上レーザーによる点群データ取得時の注意ポイントを、建築と土木の両分野に分けて解説し、効率的かつ精度の高いモデリングにつなげるための実務的なコツをまとめます。

目次

地上レーザースキャナーの特徴と役割

地上レーザースキャナーは、地表に設置して周囲の物体までの距離を高密度に計測し、点群データ(数百万〜数億点の座標群)を生成します。
UAVレーザーやMMS(モービルマッピングシステム)に比べて、以下の特徴があります。 

項目 特徴 活用例
精度 数mm〜数cmと非常に高精度 建築物の竣工図作成、構造物変位計測
範囲 数十m〜数百m ビル外観、橋梁、トンネル断面
制約 設置場所に依存、死角が発生 屋内や狭隘部での計測

このため、精度を重視したい場面では地上レーザーが有効です。
ただし「死角」や「データの過剰量」という課題を意識して計画的にスキャンすることが重要です。

現場を確認した上で、取得密度の設定をスキャナ側で変えるなどの対応が必要です。


建築分野での点群取得:外観スキャン時の注意点

建築物の外観スキャンでは、以下の点に注意が必要です。

  • 死角の解消:建物外周を一周しながら複数地点からスキャンすることが必須。特に高層建築や複雑形状では、地上からだけでは上部が欠落しやすい。必要に応じてUAVレーザーや写真測量と併用すると効果的。

  • 周囲環境の影響:植栽や交通車両などが視界を遮ると欠損データが生じる。交通量の少ない時間帯や落葉期を選ぶ工夫も求められる。

  • 反射特性への配慮:ガラスや金属面はレーザーが反射・透過しやすく、欠測が起こるため、スキャン角度を工夫するか、補助的に写真を併用することが有効。

建築外観の点群は、竣工図や改修設計、外壁劣化調査に直結するため、欠損が少なく均質な点群を取得することが成果物品質を大きく左右します。

スキャン前に予め目視で外周を確認し、スキャンを行うポイントや欠測が起きそうな場所を予測しながら計画立案することも重要です。

建築分野での点群取得:内観スキャン時の注意点

内観スキャンでは、外観とは異なる注意点があります。

  • 狭小空間での配置計画:室内は家具や設備が多く、死角が頻発する。部屋ごとに複数位置からスキャンし、重複領域を確保することが重要。

  • 光や反射の影響:室内照明や鏡面仕上げの壁・床が誤計測を引き起こす。照明条件を調整し、反射面は角度を変えて撮影するなど対策が必要。

  • 作業時間の確保:稼働中のオフィスや施設では、日常業務を妨げない時間帯を選定し、効率的に計測する段取りが欠かせない。

室内点群は、リノベーション計画や設備更新、維持管理BIMの基盤に用いられるため、部材や設備の認識が可能な精度を維持することがポイントです。


土木分野での点群取得:構造物スキャン時の注意点

橋梁・トンネルなど土木構造物のスキャンでは、対象ごとの特性を理解しておくことが重要です。

  • 橋梁:桁下や裏面は死角になりやすいため、アプローチ道路や河川敷など複数位置から計測。鋼橋では反射対策、コンクリート橋ではひび割れや剥離部位を捉えるため解像度設定を高める。

  • トンネル:交通規制や夜間作業が必要な場合が多い。レーザー計測の際は湿気・粉塵がノイズ要因となるため、後処理で不要点を除去する作業を見越す。

これらのデータは、変位計測・損傷検出に直結し、構造物の安全管理に資するため、計測時の環境条件を十分に考慮した対応が求められます。


土木分野での点群取得:地形スキャン時の注意点

地形スキャンでは、面的な広がりを捉える必要があるため、以下の点が重要です。

  • スキャナー配置の検討:法面や堤防などは片側からでは死角が発生するため、両側・複数段からの取得を行う。

  • 地被物の影響:草木や積雪が表面形状を隠すことがあるため、除草や計測時期の選定も品質に直結する。

  • 広域と局所の精度バランス:広域では解像度を落として効率を優先し、重要箇所は高密度で取得するなど、計測目的に応じた解像度調整が求められる。

このように、地形点群は設計計画・土量算定・災害復旧計画に活用されるため、実務での意思決定を支える信頼性の高いデータ取得が必要です。


共通の課題と解決策(精度・データ量・処理効率)

建築・土木を問わず、地上レーザー点群取得には共通する課題があります。

課題 内容 解決策
精度確保 計測誤差、死角、反射の影響 多視点スキャン・ターゲット設置・併用技術(UAV)
データ量 数百GB規模の膨大な点群 不要点削除・解像度調整・クラウド活用
処理効率 モデル化や解析に時間がかかる AIノイズ除去、外部委託

こうした課題を意識して、取得からモデリングまでを一貫したワークフローで設計することが、実務効率化の鍵となります。


まとめ

地上レーザースキャナーを活用した点群取得は、建築・土木の両分野において高精度な3Dモデルを構築するための重要なプロセスです。

  • 建築外観では「死角対策」や「反射面」への注意

  • 室内では「狭小空間の配置」や「作業環境」への配慮

  • 橋梁・トンネルでは「環境条件」と「高精度設定」

  • 地形では「被覆物」と「解像度の使い分け」

これらを意識することで、効率的かつ精度の高いデータが取得でき、BIM/CIM活用や自治体DXの基盤データとして役立ちます。

株式会社リビックでは、建築・土木分野に特化した点群データ処理・モデリング支援を行っております。

過去記事の「点群データ活用の最新トレンドと効率的モデリング手法まとめ」も併せてご覧頂き、点群活用の最前線をご確認ください。

提供サービスの詳細は、下記のページにて紹介しております。

BIMサービス
https://livic-eng.com/service/bim/
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