1. 主要ページへ移動
  2. メニューへ移動
  3. ページ下へ移動

BIM/CIMお役立ち情報

BIMとIFCとは?国際標準フォーマットの役割と今後の展望

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

BIMの利活用が進む中で、避けて通れないキーワードの一つが「IFCIndustry Foundation Classes)」です。
IFC
は、BIMデータの相互運用性(データ連携)を実現するための国際標準フォーマットであり、ソフトウェア間の共通言語のような存在です。

本記事では、IFCとは何か、なぜ重要なのか、どのように使われているのか、またそのメリット・デメリットや今後の展望について、初めてBIMに触れる方にもわかりやすく解説していきます。

BIMについては、下記の記事もご覧ください。

【関連記事】

BIMとは?CADとの違いや導入するメリットについて解説

IFCとは何か

IFCIndustry Foundation Classes)は、建築・土木分野におけるBIMデータを、ソフトウェアの垣根を超えてやり取りできるようにするオープンな中立ファイル形式です。

  • 拡張子:.ifc
  • 開発元:buildingSMART International
  • 目的:ソフトウェア間でBIMモデルの情報を正確に共有・再利用するため

IFCは、CADでいうDXFファイル」のBIMと捉えるとイメージしやすいでしょう。
AutoCAD
RevitArchicadVectorworksNavisworksなど、各種BIMソフトはそれぞれ独自のデータ形式(ネイティブ形式)を持っています。IFCはそれらを共通化し、異なるソフト間でBIMデータをやり取りできるようにする「橋渡し」の役割を担っています。

IFCが必要とされる理由

ソフトウェア間のデータ互換性の課題

BIM導入初期、多くの現場では異なるBIMソフトを使っていたため、データ連携が困難でした。
たとえば、設計はRevit、Archicad、施工はNavisworksというケースでは、ソフト間のオリジナルファイル形式の違いによって「データが開けない」「一部情報が消える」といった問題が頻発しました。

プロジェクト全体でBIMデータを有効活用するため

建設プロジェクトでは、設計、施工、維持管理など多くのステークホルダーが関与します。
プロジェクト参加者全員がBIMの恩恵を受けるには、共通のデータ基盤(=IFC)が必要不可欠です。

国際標準化への対応

IFCはISO(国際標準化機構)にも認定された国際規格(ISO 16739)であり、世界中の公共機関や民間プロジェクトで活用が進んでいます。
日本でも国土交通省が推進する「BIM/CIM原則適用」の中で、IFCの活用が前提になることが多くなっています。

第11回BIM/CIM推進委員会
出典:第11回 BIM/CIM推進委員会 資料1より

IFCとOpenBIMの関係

OpenBIM(オープンBIM)」とは、特定ベンダーに依存しない、中立的かつオープンな情報交換を可能にするBIMの考え方です。IFCはその中核技術として機能しています。

項目

IFC(ファイル形式)

OpenBIM(概念)

内容

ソフト間でデータを共有するためのフォーマット

ベンダー中立なBIMの運用思想

提唱団体

buildingSMART International

同左

関係

OpenBIMを支える主要な技術の1

IFCはOpenBIMを実現する手段

OpenBIMを採用することで、企業や組織のBIM環境がソフトウェアの制約を受けず、長期的・柔軟に活用可能になります。

IFCのメリット・デメリット

メリット

・ソフトの垣根を越えてBIMデータを連携出来る。
 ⇒設計~施工~維持管理で異なるBIMソフトを使っていても情報共有が可能。

・長期保管・再利用に適している。
 ⇒ネイティブ形式が廃れても、IFCであれば再利用の可能性がある。

・国際基準なので公共事業対応がしやすい
 ⇒国際プロジェクトや政府調達案件での必須要件となりやすい。

・オープン形式でライセンスフリー
 ⇒商用ソフトに依存せず、自由に利用可能。


デメリット

・モデル情報が一部失われる可能性がある。
 ⇒ソフト固有の情報(パラメータや属性)が完全には引き継げない場合ある。

・ファイルサイズが大きくなりがち
 ⇒データ量が多いため、PCに負荷をかけることも。

・各ソフトによるIFC変換精度に差がある。
 ⇒出力・読込の精度はソフトやバージョンに依存。

このように「完全互換」ではなく、「高精度の共有」というイメージを持つと良いでしょう。

IFCの活用事例と今後の展望

【日本における活用事例】

  • 国土交通省BIM/CIM原則適用業務にてIFCモデル提出を推奨・要求
  • 大手ゼネコン:設計と施工の情報連携、4D/5D施工管理、FM連携にIFCを活用
  • 地方自治体:公共建築の維持管理データをIFCで標準化して長期保存

【今後の展望】

  • 土木CIM対応の強化:橋梁・トンネルなどインフラ構造物へのIFC適用拡大
  • FM(維持管理)分野との連携深化:施設管理向けのデータ構造化が加速

IFCは今後、単なる「データの受け渡し」から、「プロジェクト全体の基盤情報モデル」へと進化していくと予想されています。

まとめ

IFCは、異なるBIMソフト間での情報連携を実現するための国際標準フォーマットであり、BIMの真価を引き出すために欠かせない存在です。
OpenBIM
の中核技術として、世界中のBIMプロジェクトで採用が進んでおり、公共・民間を問わず利用が拡大しています。

日本においても、IFCBIM普及の鍵となる要素であり、今後のBIM活用においてその重要性はさらに高まるでしょう。

株式会社リビックでは、IFC形式での納品にも対応した高品質なBIMモデリングサービスを提供しています。
「他社ソフトと連携できるか不安」「IFCデータを維持管理まで活かしたい」といったお悩みにも対応可能です。

相談のみでも問題ありませんので、まずは一度お気軽にお問い合わせください。

提供サービスの詳細は、こちらのページにてご覧いただけます。

BIMサービス
https://livic-eng.com/service/bim/
CIM
サービス
https://livic-eng.com/service/cim/



  • このエントリーをはてなブックマークに追加

CONTACT

お問い合わせ

ご質問やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。専門のスタッフが迅速かつ丁寧に対応いたします。
お客様のニーズに合わせた最適な提案を行い、プロジェクトの成功に向けたサポートをさせていただきます。