1. 主要ページへ移動
  2. メニューへ移動
  3. ページ下へ移動

BIM/CIMお役立ち情報

LandXMLとJ-LandXMLの違いと活用の方向性について

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ICT施工が標準化されつつある現在、施工用3次元設計データの整備が設計者にとっても現場目線での設計品質を問われる時代になっています。
その中で特に重要となるのが、LandXMLおよびJ-LandXMLという2つのデータ形式の理解と運用です。

この記事では、ICT施工と設計BIM/CIMの中間をつなぐキー技術である「J-LandXML」について、LandXMLとの違い、活用の狙い、作成時の注意点までを技術者向けに詳しく解説します。

LandXMLとは?

LandXML(ランドエックスエムエル)は、
元々欧米で開発された土木設計・測量分野におけるXMLベースのデータ交換フォーマット
です。

【特徴】

  • オープン形式で、地形、線形、断面、構造物などの情報を記述可能
  • ソフト間での設計データ交換に利用されてきた(例:Civil 3DTrimbleTopconなど)
  • 国際的には広く普及しているが、日本の設計・施工業務との文化的ズレがあった

J-LandXMLとは?

J-LandXML(ジェイ・ランドエックスエムエル)は、
LandXML
をベースにしつつ、日本の土木設計・施工実務に合わせて国土交通省が独自拡張・標準化した形式です。

【特徴】

LandXMLとJ-LandXMLの違い

項目

LandXML

J-LandXML

出自

海外で開発(英語ベース)

国交省が日本向けに拡張・標準化

対応範囲

地形、線形、構造物など広範囲

日本の設計図書形式(道路・法面・構造)に準拠

表現の厳密性

記述方法がソフト間でバラつきがある

構文・要素が明確に規定されており再現性が高い

ICT施工対応

限定的
(機種/建機によって読めないことも)

ICT建機・施工管理ソフトで直接読込可能

国交省の立場

特に標準化はしていない

原則としてICT施工における
3次元設計データはJ-LandXMLを使用

つまり、LandXMLがグローバルな共通言語だとすれば、J-LandXMLは日本の現場に即した“方言付きの共通言語”と言えます。CIMモデルの納品やデータ連携を行ううえで、日本国内での公共事業ではJ-LandXMLへの対応が必須となってきています。

なぜJ-LandXMLが必要なのか?

ICT施工において、設計データをICT建機へ正確に渡すためには、国や機械メーカーが共通で理解できる構造が必要です。

J-LandXMLは、以下の理由でICT施工に不可欠とされています。

必要性

内容

データの統一

ソフトや発注者によってバラバラだった表現方法を共通化

ICT建機との連携

国交省の直轄工事で使用されるICT建機が読み取り可能

施工誤差の削減

設計線形・幅員・法面が明示されているため、施工精度が安定

電子納品・出来形管理との連携

ICT施工の出来形評価データ(LandXML形式)と
連携が可能で双方向利用しやすい

 

J-LandXMLの活用シーン

J-LandXML形式のデータは、以下のような実務で活用されます。

活用シーン

内容

ICT施工(3DMC・MG)

ICT建機への設計面データ(TIN)と中心線(Alignment)を提供

電子納品対応

国交省等の直轄工事での電子納品書類に組込み

設計・施工一体業務

設計から施工への一貫データフローの中間データとして活用

設計成果品の納品

3次元設計成果として図面と合わせて納品(CIMモデルの補足)

 

J-LandXMLの作成方法と注意点

作成方法の基本フロー

  1. 2D設計図面から中心線(Alignment)と縦断情報を抽出
  2. 幅員情報(Cross Section)を定義し、法面展開を行う
  3. 完成地形(TIN Surface)を生成
  4. 構造物情報(壁高、法肩、法尻)などを属性情報として記載
  5. J-LandXML形式で出力(ソフトによってはテンプレート対応あり)
  6. ビューアで構文・形状チェックを行い納品形式に整備


作成時の注意点

注意点

説明

単位の統一

m単位で統一すること。変換ミスに注意。

サーフェスの不連続防止

地形の分割やTINのギャップがあると建機で読み込めない場合あり。

属性の記載ミス

"法面勾配" "構造区分" などが欠落すると施工用途で使えない。

出力後のチェック

Viewerなどで事前にエラーチェックすることが重要。

 

まとめ

J-LandXMLは、ICT施工と設計業務をつなぐ標準フォーマットであり、これからの設計業務において避けては通れない要素です。

  • ICT施工を意識した「使える」データを作ること
  • 構造化された3Dデータで発注者・施工者とスムーズに連携すること
  • 国交省のガイドラインに準拠した納品体制を整えること

これらが設計者に求められる時代になっています。

J-LandXMLはただの形式ではなく、施工との会話における共通言語です。


株式会社リビックでは、J-LandXMLデータの作成・フォーマット変換・出力支援まで一貫対応可能です。
公共工事・業務におけるBIM/CIM実施計画書・報告書作成支援もお任せ下さい!

提供サービスの詳細は、こちらのページにてご覧いただけます。

BIMサービス
https://livic-eng.com/service/bim/
CIM
サービス
https://livic-eng.com/service/cim/




  • このエントリーをはてなブックマークに追加

CONTACT

お問い合わせ

ご質問やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。専門のスタッフが迅速かつ丁寧に対応いたします。
お客様のニーズに合わせた最適な提案を行い、プロジェクトの成功に向けたサポートをさせていただきます。